これで簡単♪【内部結露計算】断熱材の【透湿抵抗】と【透湿比抵抗】の一覧表と【単位換算方法】を紹介

内部結露計算・・・

やっと外皮計算で、室内側伝達抵抗とか熱橋面積比とかわかってきたのに、

まだ計算しなければいけないんですか・・・。ほんと大変です。

先に説明しますが、内部結露計算が必要になる場合

「繊維系断熱材」を使用して、室内側に「防湿フィルム施工」を行わない場合

内部結露計算が必要になりますね。

(RCなどの場合や地域区分がⅠとⅥ地域、外気側にALCなどの場合は除きます)

たまにいるのですが、「吹付ウレタンフォームA種3」を壁と屋根に吹き付けて

「その上に防湿フィルムを貼ります。」という設計者、工務店の方。

いつも思いますが施工は容易なのでしょうか・・・心配です。

ただ内部結露計算を行うのが面倒で、そのような施工をします。というのであれば

もう少し内部結露計算を理解してみてはいかがでしょう。

今回はその内部結露計算で必要になる、断熱材の「透湿抵抗 透湿比抵抗」についてです。

スポンサーリンク

断熱材の「透湿抵抗 透湿比抵抗」

これは大体が、

断熱材の「透湿抵抗 透湿比抵抗」は、熱伝導率と同じく断熱材の各メーカーによって色々決まっているので、

使用する断熱材の「透湿抵抗 透湿比抵抗」をメーカーからダウンロード(あるいはメーカーの担当者にTELして資料をいただく)すれば、数値がわかるので内部結露計算に入力すれば簡単にできます。

その方法と、もう一つの方法はJISです。

JISに定められた材料を図面に明記して、外皮計算書にも同じJIS名称を記載して

定められた「透湿抵抗 透湿比抵抗」を使って、内部結露計算を行えば

メーカーの添付資料は必要がなくなります。

内部結露計算これなら簡単♪【アメダス地点】計算に使われるアメダス地点の見つけ方は?

スポンサーリンク

JIS名称による断熱材の「透湿抵抗 透湿比抵抗」

JIS名称がわかれば、断熱材のJIS名称を図面と計算書に記載することで添付資料を提出せずに済みます。

各断熱材や外皮に使われる材料の「透湿抵抗 透湿比抵抗」は以下の通りです。

透湿性能一覧表各種材料、通気層の透湿率、透湿比抵抗、透湿抵抗一覧表(SI単)

※透湿抵抗は、材料厚さ欄の時の値

材料名 透湿率 透湿比抵抗 厚さ 透湿抵抗 備考
ng/(m・s・Pa) m・s・Pa/ng mm ㎡・s・Pa/ng
グラスウール・ロックウ-ル 170 0.00588 100 0.000588
セルロースファイバー 155 0.00645 100 0.000645
A種ビーズ法ポリスチレンフォーム特号 4.6 0.22 25 0.00541 JISA9511:2006R
A種ビーズ法ポリスチレンフォーム1号 3.6 0.28 25 0.00690 JISA9511:2006R
A種ビーズ法ポリスチレンフォーム2号 5.1 0.20 25 0.00488 JISA9511:2006R
A種ビーズ法ポリスチレンフォーム3号 6.3 0.16 25 0.00400 JISA9511:2006R
A種ビーズ法ポリスチレンフォーム4号 7.3 0.14 25 0.00345 JISA9511:2006R
A種押出法ポリスチレンフォーム1種b、2種a、2種b、3種a、3種b(スキンなし) 3.6 0.28 25 0.00690 JISA9511:2006R
A種押出法ポリスチレンフォーム1種b、2種a、2種b、3種a、3種b(スキンあり) 1.4 0.73 25 0.018 JISA9511:2006R
材料名 透湿率 透湿比抵抗 厚さ 透湿抵抗 備考
A種硬質ウレタンフォーム 1種 4.6 0.22 25 0.00541 JISA9511:2006R
A種硬質ウレタンフォーム 2種1号、2種2号、2種3号、2種4号 1.0 1.0 25 0.025 JISA9511:2006R
B種硬質ウレタンフォーム 1種1号 4.6 0.22 25 0.00541 JISA9511:2006R
B種硬質ウレタンフォーム 1種2号 5.6 0.18 25 0.00444 JISA9511:2006R
B種硬質ウレタンフォーム 2種1号、2種2号 1.0 1.0 25 0.025 JISA9511:2006R
A種ポリエチレンフォーム  1種1号 0.75 1.3 25 0.033 JISA9511:2006R
A種ポリエチレンフォーム  1種2号 1.4 0.73 25 0.018 JISA9511:2006R
A種ポリエチレンフォーム  2種 0.75 1.3 25 0.033 JISA9511:2006R
A種ポリエチレンフォーム  3種 3.8 0.27 25 0.00667 JISA9511:2006R
A種硬質フェノールフォーム 1種1号、1種2号 1.5 0.67 25 0.017 JISA9511:2006R
A種硬質フェノールフォーム 2種1号、2種2号、2種3号、3種1号 3.6 0.28 25 0.00690 JISA9511:2006R
A種硬質フェノールフォーム 3種2号 33 0.031 25 0.007692 JISA9511:2006R
吹付け硬質ウレタンフォームA種1 9.0 0.11 100 0.011 JISA9511:2006R
吹付け硬質ウレタンフォームA種2、B種1、B種2 4.5 0.22 100 0.022 JISA9511:2006R
吹付け硬質ウレタンフォームA種3 31.7 0.0315 100 0.00315
材料名 透湿率 透湿比抵抗 厚さ 透湿抵抗 備考
土壁 20.7 0.0483 100 0.00483 密度1560[kg/㎥]
ケイ酸カルシウム板 52.1 0.0192 24.7 0.000474
コンクリート 2.98 0.336 100 0.036
ALC 37.9 0.0264 100 0.00264 表面処理なし
合板 1.11 0.901 12 0.011 測定湿度25%RH
せっこうボード 39.7 0.0252 12 0.00030
OSB 0.594 1.68 12 0.020 測定湿度25%RH
MDF 3.96 0.253 12 0.0030 測定湿度25%RH
軟質繊維板 18.8 0.0532 12 0.00064 測定湿度25%RH
マツ 2.74 0.365 12 0.0044 測定湿度40%RH 密度400
スギ(心材) 1.49 0.672 12 0.013 測定湿度40%RH
スギ(辺材) 4.00 0.250 12 0.0050 測定湿度40%RH
材料名 透湿率 透湿比抵抗 厚さ 透湿抵抗 備考
モルタル 2210kg/㎥ 1.62 0.617 25 0.015 密度2210[kg/㎥]、水セメント比50%、調合1:1
しっくい 52.1 0.0192 12 0.00023
重量コンクリートブロック 7.2 0.14 200 0.028 重量=18.2kg
軽量コンクリートブロック 7.7 0.13 200 0.026 重量=12.2kg
窯系サイディング 2.1 0.48 12 0.0058 塗装なし
住宅用プラスチック系防湿フィルムA種 0.082 JISA6930:1997
住宅用プラスチック系防湿フィルムB種 0.144 JISA6930:1997
透湿防水シート 0.00019 JISA6111:2001 透湿防水シートA
アスファルトフェルト 20kg 0.002 20kg巻
アスファルトフェルト 22kg 0.144 22kg巻
通気層+外装材(カテゴリーⅠ) 0.00086 【外壁】通気層厚さ18mm以上
通気層+外装材(カテゴリーⅠ) 0.0017 【外壁】通気層厚さ18mm以上(通気経路上に障害物がある場合)、通気層厚さ9mm以上 【屋根】通気層厚さ

 

※基本的にこの表を使用すれば大丈夫ですが、たまに内部結露計算書の仕様が違って単位が「ng/(㎡・S・Pa)」の場合があります。その場合は単位換算を行いましょう。

単位の換算方法

内部結露計算書の仕様により透湿抵抗の単位は、工学単位【㎡・h・mmhg/g】とSI単位【㎡・s・Pa/ng/】で表記されている場合があります。

この場合は以下の関係式があるので換算しましょう。

SI単位【㎡・s・Pa/ng/】=工学単位【㎡・h・mmhg/g】X0.00048

工学単位【㎡・h・mmhg/g】=SI単位【㎡・s・Pa/ng/】÷0.00048

タイトルとURLをコピーしました