外皮計算や1次エネ計算などに使われる数字って、なんであんなに小数点以下が多いのでしょう?
建築申請の時も面積計算していると、うっかり四捨五入なのか切り捨てなのか切り上げなのかと
つい手が止まってしまいます。
今回は性能評価や1次エネ、フラットなどで使われる数字の小数点の取り扱いについてまとめました。
外皮計算の小数点は四捨五入?切り捨て?第何位まで?
外皮における平均熱貫流率の計算で用いる値の有効値は、評価協会の説明より
外皮平均熱貫流率 | 小数点第三位を切り上げ、少数点第二位までの値 | |
単位温度差当たりの外皮熱損失量 | 小数点第二位を四捨五入、少数点第一位までの値 | |
寸法の値 | 長さ | 小数点第三位を切り捨て、少数点第二位までの値 |
面積 | 小数点第三位を四捨五入、少数点第二位までの値 |
※表に記載のない部分については、安全側となるよう適切に処理をする。
長さや面積は、一つ一つの値を処理しないで、合計値などの要所で処理することで構わない。
(一つ一つの場合、切り捨てで合計するとかなり細かく計算している場合は、かなりの誤差が見込まれるためでしょう。)
単位の基準
面積や熱損失量など中間の値は、切り上げずに、そのままの数値で計算を行います。積算の最終段階で単位のまるめを行いますが、一律ではなく計算する要素ごとにまるめ方は異なりますので注意しましょう。
UA 小数点第三位を切り上げ、小数点第二位までの値とする
ηAC 小数点第二位を切り上げ、小数点第一位までの値とする
ηAH 小数点第二位を切り下げ、小数点第一位までの値とする
q 小数点第二位を四捨五入、小数点第一位までの値とする
mc 小数点第二位を四捨五入、小数点第一位までの値とする
mH 小数点第二位を四捨五入、小数点第一位までの値とする
R値及びU値の数値の基準
計算過程において四捨五入とするが、その値は任意である
設計施工指針においては小数点第三位を切り上げ、小数点第二位までの値とする
(設計者講習テキストより)
任意と言われても困りますよね。設計者講習テキストに合わせた計算がベターと思われます。
長さや面積の基準
長さ寸法 小数点第三位を切り捨て、小数点第二位までの値とする。
面積 小数点第三位を四捨五入し、小数点第二位までの値とする。
外皮計算は基本的に四則計算(たす ひく かける わる )で計算できますが、基準となる値の単位や桁数を間違えると違う結果が出てきますので注意しましょう。
一次エネルギー計算では?
一次エネルギー消費量算定での基準
基本的にはプログラム内で計算できます。しかし、中には自分で電卓を弾かなくてはならない部分もあるので、数値のまるめ方に注意しましょう。
・UA の値 小数点第二位未満を切り上げ
・ηAc の値 小数点第一位未満を切り上げ
・年間熱負荷係数 小数点第一位以下を切り上げ
・BPI 小数点第二位未満を切り上げ
・BEI 小数点第二位未満を切り上げ
・一次エネルギー消費量の合計 小数点以下一位未満の端数があるときは、これを切り上
げ
暖房
・温水床暖房
・敷設率 小数点第一位までの値とする。第二位を四捨五入とするかは任意。
換気
・比消費電力 小数点第三位を切り上げ、小数点第二位までの値とする。
太陽光
・システム容量 小数点第三位を四捨五入、小数点第二位までの値とする。