外皮計算・・・
外皮面積を出して、各部位の熱貫流率や窓の面積・基礎の長さ、方位ごとの方位係数などなど
色々と根拠を作成して、計算に入るまでかなりの手間がかかります。
しかし、条件はありますが、方位と各部位の熱貫流率、各断熱材と建具の熱貫流率を入力するだけで外皮計算することが可能になった方法があります。
それが「当該住戸の外皮の部位の面積を用いずに外皮性能を評価する方法」という、
とっても有効な計算方法です。
平成29年3月15日付技術的助言(国住建環境215号・国住建環境215号)に基づき、基準省令第1条第1項2号及び第10条第2号に規定する「国土交通大臣がエネルギー消費性能を適切に評価できる方法と認める方法」として位置付けられた計算法となっていて、住宅の外皮を用いずに簡易に外皮性能を算出できる方法です。
平成29年4月1日より新しく設けられ、認定表示、性能向上計画認定もしくはBELSのいずれにおいても活用可能な計算法です。
略して「外皮面積を用いない外皮計算」と呼ばれています。
外皮面積を用いない外皮計算方法は?
概要は以下の通りです。
外皮の部位の熱貫流率及び土間床等の周辺部の線熱貫流率関係について
まず熱貫流率等に関する共通の事項として、各部位(屋根・天井・外壁・床など)で複数の仕様があるときは、熱貫流率に温度差係数を乗じた値が最も大きい部位の値を基に計算することを定めています。
それ以外の注意事項として
窓
窓の面積(当該窓が2以上の場合は、その合計面積)が当該住戸の床面積の2%以下は除外できる。
床
断熱措置が講じられた浴室下部(ユニットバスで床下に断熱材が施工された床パンを使用している場合など)は除外できる。
基礎の熱貫流率
玄関、勝手口その他これらに類する部分(玄関、勝手口及びそれらと連続するシューズクローク等の非居室の部分)以外の基礎断熱がない場合は熱貫流率を「0」とすることができる。(400mmを超える基礎の部分は考慮する必要はない)
基礎の線熱貫流率
玄関、勝手口その他これらに類する部分の基礎は、当面の間従前の基礎に係る計算式を用いた基礎の線熱貫流率と併せて計算を行うことができる。(400mmを超える基礎の部分は考慮する必要はない)
外皮の部位の日射熱取得率関係
屋根、天井、壁及び大部分がガラスで構成されないドアは、各部位の日射熱取得率をそのまま使うことができます。
大部分がガラスで構成されているドアについては以下の取り扱いとなります。
対象部位 | 種別 | 取得日射量補正係数 | 垂直面日射熱取得率 |
窓 | 暖房期 | 以下のいずれか
・全窓で計算し、最も小さい値 ・複数仕様の場合、既定の条件以下で各方位で算出 |
窓の垂直面日射熱取得率(複数仕様の場合は最も小さい値) |
冷房期 | 以下のいずれか
・全窓で計算し、最も大きい値 ・複数仕様の場合、既定の条件以下で各方位で算出 |
窓の垂直面日射熱取得率(複数仕様の場合は最も大きい値) |
確認事項
- 本計算方法は「木造戸建て住宅」が対象であり、鉄骨部材等を用いる住宅は使用できない。
- 床断熱と基礎断熱を併用する場合は、それぞれのUA値を求めて大きい値になる計算式をUA及びηAの値の計算に適用する。
- 屋根、壁、ドア、窓及び床の部位の熱貫流率の計算に関しては、各部位で複数の異なる仕様を有する場合は、最も熱貫流率の値が大きい仕様の値を選択して入力する。(コンセントボックス・点検口等の部位は除くことができる)
- 床断熱工法における床の部位の熱貫流率の入力は、床に断熱措置を講じたユニットバスを用いる場合、当該ユニットバスを除いた部分で床としての入力を判断できる。
- 本計算方法で求めたUA値を用いて一次エネルギー計算を行う場合、建築研究所ホームページ上に設けられた本計算方法用Webプログラムを用いて一次エネルギー消費量計算を行うことができる。
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